加藤馨氏が残した言葉

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●座右の銘『誠実』

二十六年六月やっと現在の場所に店を持つまでになったのである。加藤さんのモットーは誠実第一主義。電機器具の値段はアフター・サービスの可能な範囲ぎりぎりにまで下げて売る。かけ値などは絶対にしない。そして消費者には器具の長所短所をはっきり言ってやる。売ろうとするのではなく家庭電化計画を側面から応援してやるという形をとる。

 ~1958(昭和33)年 新聞いはらき「土地ッ子」に掲載された加藤電機商会の紹介文より 

親切は誰でもできますが、ただ人に親切にしたのでは、相手の人はそれを正しく受けてくれないものです。人間には他人に対する警戒心というものがあり、良いことを簡単に教えてくれるはずがないと思っているからです。親切というものは、愛情をもってしてやらないと相手に通じません愛情とは、相手の身になって考えてあげてこそ通じるのですから、愛情ある行動を身に付けましょう。そういう人になることによって信用ある人間となることができます

 ~1972年 初の支店「駅南店」オープンにあたって作成した「我が社の信条」についての解説(回顧録)より

私たちは商売人である以上、いつも「誠実な心」、裏返して言えば「感謝の心」を持ち続けなければなりません。それが店の信用を培う最大のものです。私はこの年になるまで、その心を守り通してきました

 ~1990年 創業祭 会長挨拶より

子会社に役員として出向する取締役が挨拶に来たので、誠実が一番の事業発展の道と話した。

 ~2004年8月11日 日記より

社会人としての暮しにおいて、仕事においても、個人の付き合いでも、正義観念というものが必要です。正義観念というものがどういうものかというと、人はすべて損得でやってはいけないのです。損だからやらない、得だからやる、そんな人間は信用されません。そうではなくてどちらが正しいか。その見分け方は、自分がやっていることと同じことを全国の国民がやったら世の中が良くなるか悪くなるかを判断することです。一番簡単な判断の方法です。世の中が良くなると思ったら賛成、悪くなると思ったらそれは悪いことだから止めましょう

 ~2005年創業祭 講話「幸福に暮らす法」より

60年の長い間、幾多の変遷を経て地域社会のためになる企業、安心して生涯働ける企業に成長してまいりました。これからも「誠実」を第一と考え、家電業界の発展に尽力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

 ~2007年 創業60周年 名誉会長挨拶より

決心は時とともに人生では変わることと、どこへ勤めても人生は誠実第一で生きていってくれと教えた。

 ~2009年3月10日 日記(孫とのやりとり)より

●『感謝の心』

当社では日常の心得として5つの信条を掲げております。その中の一つに「感謝の気持ちで働きましょう」という言葉があります。私は社員が入社するたび、朝目がさめてから夜寝るまで常に世の中のすべての人々と文物に感謝して行動しなくてはならないことを教えております。この感謝の気持ちで働けば、何ごとも順調に展開し、当社の今後の発展も約束されると思うのでございます。

~1988年 株式公開記念パーティーでの挨拶より

一、我等は今日一日を感謝の気持ちで働きましょう
人間は、すべての人々から、また、すべての物件から何らかの恩恵を受け、これを取り入れて暮していますこの恩恵を一時も忘れずに毎日を感謝しながら暮しましょうということです。この気持ちが少ない人は、ちょっとしたことにすぐ腹を立てたり、不満を言い出したりします。そして他人から見ると何となく、好意の持てない、俗に言う「なまいきな人」に見えるのです。

 ~2006年に執筆した「回顧録」 より

(有名な政治家、実業家の名前を挙げ)優秀な能力で政治や経済界で成功しましたが、上になるにしたがい、信用と権力に酔い、不正にお金を集めたり、規則を守らなかったりして人生の終りにみじめな状態で死んでいきました。自分の成功は自分が働いたからだと思わず、世の中の人の恩恵によって企業が成功したのですから、世の中の人のお蔭と思って、世の中の人々に感謝する気持ちを持って暮らすことです。

 ~2006年に執筆した「回顧録」より

●幸せに暮らす方法

どうしたら人生が幸福になれるか。幸せの青い鳥をどうやって捕まえるか。幸せというものは人から与えられたり、ものによって達成されるのではなく、自分の心の中に絶えずあるのです。その幸せの心を自分がつかむかつかまないか、幸せの青い鳥を自分のものにできるかどうかは、自分の人生をいかに合理的に立派に暮らすかということなのです。立派に暮らすということは、新聞に出たり、勲章をもらったりすることではなく、誰からも非難されない人間になって暮らすことであって、常日頃、小さな喜びを心からかみしめて、小さな喜びがあるたびに、幸せとして一家の家庭の中の話題として取り入れる。それをだんだん積み重ねていくことで、それが大きな幸せになって、幸せの青い鳥を我が家のものとすることができるのです。そして、自分の一生を誇りを持てるものとして暮らせるようにするのは、皆さんの心がけです

 ~2005年 社内報「幸福に暮らす法」より

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