「がんばらない経営」の創業精神を学ぶ
誠意に勝る敵はなし 創業期

誠意に勝る敵はなし

「誠意に勝る敵はなし」――これは常々加藤馨氏が強調しつづけた商いの哲学です。2004年に子会社化した八千代ムセン電機に出向する役員が柳町事務所に挨拶に来た際にも「誠実が一番の事業発展の道と話した」と加藤馨氏の日記に記されています。 以下に、平成3(1991)年4月18日に開催された第四十四回カトーデ…
顧客満足度を高めるのは“人の力” 経営戦略

顧客満足度を高めるのは“人の力”

日経ビジネスが以前実施していた「アフターサービス満足度ランキング」の家電量販店部門で5年連続で日本一に選ばれました。筆者は、この詳細データを調べたことがあります。購入した詳細データで、ユーザー個々の各企業に対するコメントを見ていて、ケーズデンキで特に強く感じたのが「現場力」です。印象に残ったのが、以…
お客様のための「本当の親切」を考える 経営戦略

お客様のための「本当の親切」を考える

多くのサービス・小売業が「お客様第一」を掲げ、「親切」を標ぼうしています。自社店舗の強みを「親切」と語る企業も少なくありませんが、「親切」は競合との差別化になりうるのでしょうか?  家電を例にあげるなら、昔秋葉原などの電気街にあった「バッタ屋」は親切ではありませんでした。売りが「安さ」だけなので、サ…
「生産性向上」の考えを引き継ぐ 会社の歴史

「生産性向上」の考えを引き継ぐ

加藤修一氏が、創業者・加藤馨氏からカトーデンキ(現ケーズHD)社長の座を任されたのは1982(昭和57)年。3月20日の朝に事務所に顔を出すと、加藤馨氏に「明日からお前が社長をやりなさい」と切り出されます。この時、加藤馨氏は64歳、加藤修一氏は35歳。いずれは引き継ぐものと心の準備はできていたので「…
生産性の向上とは? 会社の歴史

生産性の向上とは?

カトーデンキ(現ケーズHD)の古い社内報があります。1989年(昭和64年 平成元年)の「社員のひろば」第4号に、加藤馨会長(当時)が「提言 生産性の向上について」という原稿を寄せています。 1989年という時期を振り返りましょう。1982年3月に、当時の加藤修一専務に社長の座を譲り、加藤馨氏は会長…
加藤馨氏の真実を見極める力 会社の歴史

加藤馨氏の真実を見極める力

あけましておめでとうございます。加藤馨経営研究所も今週仕事始めとなりました。2021年もコロナ禍はなかなか収まる兆しが見えず、不確実性の高い状況が続いていますが、当研究所では、どんな状況でもぶれることない「がんばらない経営」の考え方を研究し、伝えていきたいと考えております。どうぞ今後ともよろしくお願…
がんばらない=能率を上げる 経営戦略

がんばらない=能率を上げる

今流通企業で働いている人が、加藤馨氏の経営思想、創業精神を知ろうとしても、ケーズデンキの古い社内報のほかには、ほんの一部の新聞・雑誌記事が残されているのみです。ほかには、加藤馨氏に直接取材したジャーナリストの立石泰則さんが執筆された「戦争体験と経営者」などの書籍、あるいは加藤修一氏の著書や発言で加藤…
バブル崩壊後の深刻な家電不況をどう乗り越えたか? 会社の歴史

バブル崩壊後の深刻な家電不況をどう乗り越えたか?

私がかつて編集長を務めていた「IT&家電ビジネス」の前身である「家電ビジネス」の古い記事、1992年(平成4年)8月号の特集記事があります。バブル崩壊により消費マインドが冷え込み、家電業界も深刻な販売不振に陥りました。その頃の記事です。「特別企画 家電不況――いま、何をすべきか “甘えの構造…
昭和33年の加藤電機商会に見る「がんばらない経営」の原点 創業期

昭和33年の加藤電機商会に見る「がんばらない経営」の原点

「がんばらない経営」の土台を築いた加藤馨氏ですが、加藤馨氏に関する新聞や雑誌の記事はあまり残っていません。昭和22(1947)年3月に茨城県水戸市元台町の借家にラジオ受信機を主体とする販売・修理業を開店。昭和48(1973)年に息子の加藤修一氏(当時専務)に社長を譲りました。その後、平成7(1995…
事務所の随所に見える合理性 活動報告

事務所の随所に見える合理性

「加藤馨経営研究所について」に記したように、加藤馨経営研究所の事務所は、かつてのケーズデンキの柳町本店であり、創業者の加藤馨氏が引退後も事務所として過ごしていた場所です。3階建て建物の1階には、ケーズホールディングスの監査室が入っていますが、本社の人が訪れることはほとんどありません。 加藤馨氏が、カ…