寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~7 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~7

 千木良の次に私は、水戸の加藤馨氏縁の土地や場所を訪れることにした。 4月下旬、まず私が向かったのは、馨氏が航空通信学校の教官を務めていた時の下宿先「常照寺」である。まだ水戸市内の地理に不慣れだったこともあって、私はJR水戸駅からタクシーを利用した。そのさい、私は行き先を「常照寺正面入り口」と運転手…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~6 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~6

 千木良を歩くといっても、目的もなしに場当たり的に歩いたわけではない。千木良のバス停からまず加藤馨氏の生家を目指した。生家はバス停からそう離れていなかった。そこで生家を起点にして、加藤氏と縁のある土地や場所を訪ねることにしたのだ。  まず最初に、加藤家の菩提寺「善勝寺」を訪ねた。生家から徒歩で5~6…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~5 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~5

第三章 創業者・加藤馨の縁(ゆかり)の土地を歩く  加藤馨氏の本格的な評伝を書きたいという私の思いは、加藤氏の生前には実現されることはなかった。その理由は、雑務に追われた私の怠慢以外の何物でもなかった。しかしそんな私に、ご子息の加藤修一氏(元ケーズホールディングス会長、現名誉会長)から「創業の精神」…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~4 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~4

 創業者・加藤馨氏へのインタビューは、2009(平成21)年10月に2度にわたって行われた。場所は、水戸市柳町の旧根積町本店をリニューアルした加藤氏のオフィスであった。最初のインタビューで加藤氏から受けた印象は、それまで取材してきた創業者や経営トップとはまったく違う異質な、いやむしろ不思議な経営者と…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~3 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~3

第二章 創業者・加藤馨氏との不思議なインタビュー  私は『ヤマダ電機の品格』を上梓したのち、次の新しいテーマ(金融自由化)に取りかかるつもりでいた。しかしどうしても、ケーズデンキ社長の加藤修一氏が掲げる「がんばらない経営」が気になってしまい、他のテーマに取り組むことに躊躇いが生まれていた。何故かとい…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~2 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~2

第一章 私とケーズデンキの出会い  『正しく生きる』を上梓する前に、私には『「がんばらない」経営』(草思社、2010年)というケーズデンキの経営を論じた著作がある。その意味では、『「がんばらない」経営』は私に『正しく生きる』の取材・執筆へと駆り立てるきっかけとなった作品でもある。そうした背景を踏まえ…
『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~1 寄稿

『正しく生きる』の 取材余話(立石泰則氏 寄稿)~1

はじめに  今年(2023年)の3月24日、私は『正しく生きる—ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』を岩波書店(東京・千代田区一ツ橋)から上梓した。私にとって、初めての本格的な評伝である。しかも私が2021年3月に取材をスタートさせた頃は、わが国でも新型コロナの感染拡大が深刻になっていた。その意味では…